NISHIMURA TATEGU

物価高騰時代の〈建築・建具対応〉──建築士が知るべき省エネと意匠両立の最新手法

【導入リード】
近年の物価高騰は、建築業界全体に大きな影響を与えています。
資材価格の上昇はもちろん、旅館や文化財改修に携わる現場では「コストを抑えつつ、省エネ性能や防火基準を満たす建材」をどう選ぶかが課題となっています。
特に、和室建具や引き戸・障子といった伝統要素を持つ空間設計では、意匠を崩さずに法規・性能を両立する工夫が求められています。
本記事では、建築士・旅館オーナー・文化財改修関係者に向けて、建具界隈から見た最新の対応策を整理します。
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【業界ワードと実務の接点】
現在注目されるキーワードと、その背景を整理します。
• 建築/建築士:資材価格の上昇に伴い、設計段階からコストと性能を両立する設計配慮が必須。
• 意匠/空間設計:和モダンの再評価により、木質感を活かした省エネ設計が注目。
• 建具界隈/和室/引き戸/障子:不燃・断熱仕様の障子や引き戸が増加。従来の意匠を守りつつZEB化に貢献。
• 文化財:文化庁ガイドラインのもとで、保存+性能改修を両立させる事例が増加。
• ZEB化:旅館や宿泊施設でもZEB Readyを目指す動きが強まり、建具による断熱・遮熱性能向上がポイントに。
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【建具視点での提案・工夫】
物価高騰下でも建具は「工夫次第でコスト以上の価値」を提供できます。
• 光:不燃素材を使った障子紙で拡散光を実現、照明コスト削減に貢献。
• 音:断熱材を組み込んだ引き戸で、防音+冷暖房効率を確保。
• 質感:国産突板を薄く加工し、不燃下地と組み合わせることで「本物の木の質感」を維持。
• 法規:準不燃認定の建具を採用し、防火規制に対応。
• 省エネ:Low-Eガラス入りの建具を導入し、冷暖房費を削減。
→ 図面に合わせた再現力や現場合わせの柔軟性があるため、既存施設の改修でも実用的です。